虫歯で頭痛や肩こりが起こる原因と応急処置
監修者情報
- 国際インプラント学会認定医
- 国際口腔インプラント学会
- 顎咬合学会認定医など
はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。
虫歯に気づいていながらも、歯科医院へ行く時間がなかなか取れなかったり、過去に治療を受けたときに痛い思いをしたりなどの経験から、歯の痛みや違和感を長期間放置してしまった方も多いのではないでしょうか。
虫歯は、進行すると歯を失う可能性があるだけでなく、頭痛や肩こりなどの不定愁訴と呼ばれる症状を引き起こすこともあります。
不定愁訴とは、頭痛や肩こり、疲労感などの自覚症状はあるものの、検査では原因となる疾患が見つからない状態のことです。
一見関係のなさそうな虫歯と頭痛や肩こりですが、放置してしまうとさらに症状が悪化する恐れもあるため、早めに歯科医院へ相談しなければいけません。
この記事では、虫歯で頭痛や肩こりが起こる原因と応急処置について詳しくご紹介します。検査をしても原因がわからない頭痛や肩こりでお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
虫歯で頭痛が起こる原因
ズキズキと痛み、日常生活に支障をきたす可能性もある頭痛。
実は頭痛と虫歯には深い関係があります。虫歯が進行するにつれて痛みが広がり、歯だけではなく頭痛を引き起こす場合も。歯の疾患なのに頭が痛くなることを不思議に思われる方もおられるでしょうけれど、頭痛が起こっているということは、すでに虫歯の症状がかなり進行しているということです。
まずは、虫歯を放置することで起こりやすい不定愁訴の代表である「頭痛」の原因についてご紹介します。
緊張性頭痛
後頭部にズーンという鈍い痛みを感じる場合は、緊張性頭痛が原因のケースが多いです。
緊張性頭痛とは、頭の周りや後頭部、肩にかけての筋肉が緊張して起こる頭痛のことです。脳の障害や血栓など、頭痛の原因になるような疾患がないケースがほとんどで、虫歯の痛みによって片方の顎や首の筋肉に負担がかかることで引き起こされます。
通常の場合、筋肉はお互いにバランスをとって体を動かしていますが、片方の顎や首の筋肉ばかり使っていると、その部分に凝りが生じやすくなってしまうのです。
この凝りが原因で、後頭部が締め付けられるような頭痛を生じさせてしまうことがあります。
歯髄炎
歯髄炎とは、虫歯が歯髄(神経と血管が集まっている場所)にまで達し、炎症が引き起こされている状態です。
頭痛が起こる前から、歯がズキズキするような痛みを自覚している場合は、歯髄炎が原因である可能性も高いです。歯髄炎の炎症によって血流が増えて神経が圧迫され、脈拍に合わせてズキズキと強い痛みを感じます。
ここで注意したいのは、歯を鏡で見たときに、歯に穴があくなどの虫歯の症状がないにもかかわらず、歯の内部で症状が進行するケースです。
歯髄炎は、昔受けたむし歯治療で取りきれなかった虫歯菌が、気づかない間に歯の中で歯髄を蝕むことで起こる可能性もあります。そのため、歯の表面に虫歯の症状がなかったとしても気をつけなければいけません。
歯性上顎洞炎
歯性上顎洞炎とは、簡単にいうと副鼻腔炎の中でも口の中に原因がある上顎洞の炎症のことです。
一般的な歯性上顎洞炎の症状は、頭痛や頭重感、紅潮、においの強い鼻汁などです。症状はいわゆる鼻の蓄膿症と同じですが、虫歯が原因のため、歯に振動が加わったときに痛みや違和感があります。
上顎第二小臼歯や第一大臼歯、第二大臼歯の歯根は、上顎洞と非常に近い部分にあります。そのため、虫歯が進行して歯の根元の骨が溶けると、菌が上顎洞にまで達してしまい、歯性上顎洞炎に移行してしまうのです。
虫歯で肩こりが起こる原因
肩こりがひどいとお悩みの方も、頭痛と同じように多いことでしょう。肩こりも虫歯を放置していると起こる不定愁訴の一つです。
ところで、人間の頭はどのくらいの重さがあるかご存知ですか?
人間の頭の重さは、およそ4キロです。首と肩は、4キロもある人間の頭を支えています。
よく、デスクワークなどが原因で猫背になり肩こりが起こるという話は耳にします。重たい頭を支えていることで肩こりが起こるのはわかりますが、虫歯と肩こりにはどのような関係があるのでしょうか。
ここでは、虫歯で肩こりが起こる原因についてご紹介します。
偏った咬み方
普段肩こりがない方や肩こりがある方でもいつもよりひどい場合は、虫歯によって肩こりが起こっている可能性もあります。
虫歯を治療せずにそのまま放置した場合、痛む部分を避けようとして、無意識に偏った咬み方をしてしまうことも。
偏った咬み方は、顎やその周辺の筋肉が使われるバランスを崩し疲労させてしまうため、肩こりが生じやすくなります。
虫歯で痛みが出たときにすぐ治療を行えば、虫歯とともに肩こりの症状が改善できるケースも多いですが、あまりに長い期間放置してしまうと歯の高さまで変わってしまい、虫歯を治しただけでは肩こりが治らなくなってしまうので注意しなければいけません。
咬み合わせ不良
個人差はありますが、人間がものを咬む力は非常に強く、自分の体重のおよそ2倍もの強さがあるといわれており、食べ物をしっかりと咬めるように作られています。
しかし虫歯によって上下の歯の咬み合わせが悪くなると、食べ物の大きさや硬さに合わせて咬む力を調整するため、顎に余計な緊張が起こります。
つまり、咬み合わせが悪いとものを咬むために顎の筋肉が緊張しやすくなり、顎とひとつながりになっている首や肩の筋肉まで緊張し、凝ってしまうということです。
虫歯で頭痛や肩こりが起こったときの応急処置
「虫歯が痛いと思っていたら頭痛や肩こりまでひどくなってきた」「今すぐ歯科医院へ行きたいけれど、夜だから行けない」
そのような場合は、歯科医院を受診するまでの間自分でできる応急処置をしておきましょう。
ただし、あくまでも応急処置ですので、できるだけ早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けてください。
市販の鎮痛剤を服用
虫歯によって起こっている頭痛や肩こりの症状を抑えたい場合、とりあえず市販の鎮痛剤を服用して痛みを抑えるのも一つの方法です。
虫歯によって起こっている頭痛や肩こりを抑えたい場合は、以下の成分が配合されている鎮痛剤を選ぶとよいでしょう。
・ロキソプロフェン
・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
辛い頭痛や肩こりの症状は、一刻も早く抑えたいものです。そのため、効果が早く出る鎮痛剤を選ぶことをおすすめします。
また、肩こりには痛みを和らげる湿布も効果的ですが、あくまでも対症療法であることを忘れては行けません。根本的な原因を治療しない限り、肩こり自体が治ることはないので注意しましょう。
湯船に浸からない
一般的に、血流が促進して肩こりが治ると考えられているため、湯船に浸かることがあります。
頭痛についても、一般的な緊張性頭痛の場合は温めるのが効果的だと考えられています。しかし、虫歯が原因である場合は、頭痛でも肩こりでも湯船で血流を促進してしまうと痛みが強くなってしまう恐れもあるので注意が必要です。
歯科医院で適切な治療を受けるまでの間は、熱い湯船にゆっくりと浸かるのではなく、シャワーで済ませておくようにしましょう。
他にも、血行を促進するような行動はNGです。たとえば、飲酒や激しい運動などは痛みが増す可能性もあるので控え、安静にするようにしましょう。
ツボを押す
虫歯で頭痛や肩こりが起こったときは、ツボを押すことで症状がやわらぐ可能性もあります。
以下は、症状緩和におすすめのツボです。
合谷(ごうこく)
合谷は、さまざまな症状を緩和するツボです。熱を排出する作用があるため、歯の炎症による急な痛みをやわらげてくれます。
ツボの場所は、親指と人差し指の付け根部分です。押したときに痛む部分を探してみてください。
やや人差し指側に向けて、親指の腹で押し上げるように2、3分刺激します。合谷の皮膚をつねっても効果を感じられますが、つねりすぎには注意しましょう。
虫歯で頭痛や肩こりが起こったら早めに歯科医院へ
上記では虫歯で頭痛や肩こりが起こったときの応急処置についてご紹介しましたが、あくまでも応急処置なので、症状の根本的な改善にはなりません。
とくに早めの受診が必要なのは、以下のようなケースです。
・徐々に痛みが激しくなっている
・24時間以上痛みが続いている
・発熱している
・リンパが腫れている、痛みを感じる
・胸の痛みや息苦しさを感じる
虫歯は放置しておくと、頭痛や肩こりだけでなく骨髄炎や脳梗塞、心筋梗塞の原因になることもあります。
虫歯は、虫歯菌に感染することによって症状が現れる歯の疾患です。虫歯による被害は口の中のみだと考えている方も多いですが、進行することによってさまざまな全身の疾患につながっていきます。
今回ご紹介した応急処置で痛みがなくなったからといってそのままにせず、早急に歯科医院へ相談することをおすすめします。
まとめ
虫歯で頭痛や肩こりが起こる原因と、応急処置について詳しくご紹介しました。
虫歯は早い段階で治療を行わないと、頭痛や肩こりなどの原因になります。実際のところ、虫歯が原因で不定愁訴が起こっているかは、検査をしてみなければわかりません。虫歯が原因ではない場合のことを考えても、自分で勝手な判断をせずに歯科医院を受診するようにしましょう。
初台駅から徒歩1分の「内藤歯科」では、さまざまな認定資格を有する院長が、歯科治療における幅広い知識と経験をもとに診療を行っています。
患者様の目線に立ち、さまざまな角度から患者様に最適な治療をご提案いたします。また、痛みや気になる症状への対処だけでなく、再発を防止するような予防歯科にも力を入れておりますので、虫歯が原因で頭痛や肩こりが起こっていると思われる方はぜひ一度「内藤歯科」までご相談ください。