虫歯10本の治療期間は?進行度別治療法と期間を紹介
監修者情報
- 国際インプラント学会認定医
- 国際口腔インプラント学会
- 顎咬合学会認定医など
はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。
虫歯があっても、忙しくてなかなか歯科医院に行く時間がないと考えている方は多いですよね。
仕事や学校の予定を調整したいという理由から「虫歯の治療にどの程度時間がかかるんだろう…」と疑問を持つこともあります。
この記事では、虫歯の進行度別治療法と期間、虫歯の治療が長引く理由をご紹介します。
虫歯の治療にどの程度期間が必要なのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
虫歯を10本治療する期間は?
虫歯10本を治療する期間は、虫歯の進行度合いによって異なります。
虫歯は初期のCOから重度のC4までがあり、COや初期のC1なら歯科医院に通わずに、自宅で行うセルフケアで治療が可能ですが、C2やC3は虫歯を取り除いた後に詰め物をする必要があります。
C4まで進行すると抜歯が必要となることもあるため、10本の虫歯がそれぞれどの状態なのかによって、治療期間は変わってくるのです。
虫歯の進行度別治療法と期間
虫歯は進行度合いによって治療期間が異なるため、10本の虫歯の治療期間がどの程度ということを明確にすることはできませんが、進行度合いがわかればある程度の目安がわかります。
ここからは、虫歯の進行度別治療法と期間をご紹介します。
虫歯になりかけの「CO」
COは初期の虫歯ですが、治療せずに経過観察となることが多いため、治療期間は0日です。
なぜ治療せずに経過観察になるかは、虫歯発生時に口内で起こっている脱灰と再石灰化が関係しています。
【脱灰と再石灰化】
1.口内のミュータンス菌などの原因菌が、食べ物から糖質を取り込みプラークが形成される
2.プラークの中でミュータンス菌が増殖し、糖質から酸が作り出される
3.酸によってエナメル質や象牙質からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰」が起こる
4.溶けだしたカルシウムやリンが、唾液によってふたたび歯に取り込まれる「再石灰化」が起こる
初期の虫歯は、食べカスを残さないようしっかりブラッシングし、脱灰よりも再石灰化を促進することで、経過観察のみで歯科医院での処置が不要となります。
しかし、COは1年後にC1に進んでしまう確率が30%ともいわれているため、こまめなホームケアが必要となります。
エナメル質が侵されている「C1」
歯のエナメル質が侵されていて、穴があいた状態をC1といい、治療は1日で終了します。
COよりは虫歯が進行している状態ですが、痛みは感じないためまだ虫歯になっていることに気が付かない方もいます。
しかし、C1まで虫歯が進行すると自宅でのセルフケアだけでは治療が難しく、歯科医院でCR(コンポジットレジン)修復と呼ばれるプラスチック素材で、削ったエナメル質を埋める治療が行われます。
象牙質まで侵されている「C2」
C2は虫歯が歯の内部にまで広がり、象牙質まで進んでいる状態で、治療は2~3回に分けて行われます。
歯に穴があき、黒くなったり茶色くなったりすることもあり、その部分に冷たい飲み物や食べ物があたると痛いと感じるため、虫歯に気が付くのはC2が多いとされています。
前述したCR修復で済む場合もあれば、歯の型を取って詰め物をする場合もあるため、詰め物が完成するまでの間に時間がかかることから、数回に分けて治療を行う必要がある症状です。
歯髄まで侵されている「C3」
神経まで虫歯が進んでいる状態をC3といい、神経を取る根管治療が必要となるため治療は4~5回に分けて行われます。
C3まで虫歯が進行すると、日常生活に大きく影響を及ぼすほど痛みを感じている状態です。
根管治療は、麻酔を行ったうえで歯の神経を除去し、神経があった箇所を殺菌して神経の代わりとなるものを詰めます。
その後土台をかぶせて型を取り、かぶせ物をして完了となります。かぶせ物は保険診療と自費診療で以下のようなものを選択できます。
・CAD/CAM冠…保険診療
・銀歯…保険診療
・ジルコニアセラミック…自費診療
・オールセラミック…自費診療
根管治療は途中でやめてしまうと再度やり直しが必要となったり、抜歯する必要があったりするため、何度かに分けて医師の指示通り治療に通うようにしましょう。
歯根部まで侵されている「C4」
歯がほとんど虫歯によって溶かされている状態をC4といい、抜歯が必要となるため抜歯の1回が治療回数となります。
C4になると、歯の見える部分がほとんどない状態で、歯根のみが残っているのですが、神経も死んでしまっているため痛みを感じなくなっていることもあります。
治療の際は、抜歯を行い失った部分の機能をどのように補うかを検討します。
ブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療方法のなかから、歯の状態や患者さんの希望によって選択することになります。
虫歯の進行度合いや治療方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧下さい。
虫歯の治療が長引く理由
虫歯治療は何度かに分けて行われることがほとんどですが、治療を分けるにはさまざまな理由があります。
ここからは、虫歯の治療が長引く理由をご紹介します。
段階的な治療が必要なため
ここまでご紹介してきたように、初期の虫歯なら1回の治療で終えることも可能ですが、虫歯が進行している状態だと歯を削る、型を取る、詰め物を作る、詰め物をかぶせるという治療を段階的に行う必要があります。
神経を取る根管治療になると、根管内部をしっかり殺菌しておかないと虫歯が再発してしまうこともあるため、複数回通院し消毒作業をしなければなりません。
歯科での治療は手間をかけて丁寧に処置をする必要があるため、段階を踏んで次に進む必要があるということです。
1回に何本も治療できないため
歯科医院で虫歯を治療する際、何本も同時に治療をしてほしいと考える方もいらっしゃいますが、歯科医師は全体の咬み合わせを考えて治療計画を立てています。
上下で咬み合う歯や隣合っている歯を削る治療は、咬み合わせへの影響が大きいことから、一度に複数の歯を削るのではなく、咬み合わせを確認しながら1本ずつ治療していく必要があります。
咬み合わせが悪くなると、食事の際に不便になるだけではなく、以下のような不調を起こす原因となります。
・虫歯になりやすい
・頭痛や肩こりの原因になる
・顎関節症になる
・顔や表情が歪む
このように、全身に不調が及ぶことも考えられるため、咬み合わせが悪くならないよう複数の歯を同時に治療することは避ける必要があります。
保険治療の制約
保険診療の場合は、1人の患者さんにかける時間が厚生労働省によって制限されています。過剰な保険診療を行っていないか、多くの方に医療が提供されているか、ということを判断する制度として、ルールを破ると指導対象となることがあるのです。
このルールを破ることで、保険適応による治療ができなくなってしまうこともあるため、結果的に患者さんの余計な費用の負担が増えることになります。
そのため、何度かに分けて通院することが必要となり、1回の治療内容に制限が出てしまうことを理解しておきましょう。
予約のトラブルを防止するため
一度の診療で複数の虫歯を治すような治療をすると、1人の患者さんに対する治療時間が長くなり、予約を取りづらくなるというトラブルが発生します。
新規の患者さんも、継続して通院している患者さんも、予約が取れなくなることで治療が必要な状態を放置してしまうことになりかねません。
1日のうちに多くの患者さんの治療が行えるよう、1人の患者さんに対する治療時間を長くしないようにしているという理由もあります。
まとめ
虫歯の進行度別治療法と期間、虫歯の治療が長引く理由をご紹介しましたが、参考になりましたか?
虫歯10本を治療するのにかかる期間は、虫歯の進行度合いによって変わってきます。すべての虫歯がCOの状態ならm1度の診療で後は経過観察となりますが、C3まで進み神経が侵されている状態だと1本の虫歯に4~5回の治療が必要です。
自分自身で虫歯の状態を判断するのは難しいため、一度歯科医院で診療を受け、口内の状態を確認したうえで医師と相談しながら治療計画を立てましょう。
初台から徒歩1分の場所にある「内藤歯科」では、患者さまのことを第一に考えた、不安を取り除く治療を提供しております。
「最新の医療環境を整え、常に患者さまの立場に立って最適な治療をご提供すること」をコンセプトに、さまざまな角度から検討を重ねた治療を提案します。
国際インプラント学会認定医であり、歯科治療における幅広い知見をもった院長が難症例にも対応させていただくため、虫歯にお悩みの方は、ぜひ一度「内藤歯科」までご連絡・ご相談ください。