歯が痛いとき3
前回は、歯が痛む時に実は、「咬合」が原因のときもあり、原因が見つかりずらいため、「原因不明の痛み」として、見逃されやすいことをご説明いたしました。
「咬合による痛み」、ですが、大きく分けると、2種類に分けることができます。
一つは、咬み合わせのバランスが悪く痛む場合。
もう一つは、ストレスにより、かみしめてしまうことにより、痛む場合があります。
これらは原因が異なるので、異なるアプローチが必要になります。
一つ目の「咬合」に起因するものは、バランスが悪いために生じる不具合(痛み)をなくすために、精密な咬合診断が必要になります。その際に役に立つのが、前回ご紹介した、高倍率の拡大鏡と高照度のライトになります。
昔ながらの肉眼での治療では、精密な診断が不可能ですので、拡大鏡で歯を10倍程度に拡大するのですが、それだけでは拡大した分明るさが損なわれてしまうので、見分けることができません。そこに高照度のライトで光を当てなければ診断ができません。
実際に身近なものを、拡大してみましょう。
現行の5000円札を見てみましょう。見慣れたデザインですが、左上の5000の数字の下に、文字が描かれていることに普段はなかなか気が付きません。そこで、数倍拡大してみると、5000の数字の下にnipponginkoの文字が浮かんできます。拡大鏡を使用した精密治療とは、このように、肉眼では気が付かない情報を、得ることができるので、近代の精密な歯科治療、とりわけ「咬合治療」あるいは、「インプラント手術」などに欠かすことはできません。