インプラントとは その2
前回、私とインプラントとの,そもそもの出会いを記載いたしましたが、当時は私もまだ18歳、新世界に飛び込んだばかりの青二才でしたので、まだインプラント(人工歯根)と言っても、ピンときませんでした。それでも、全国紙に、「第3の歯として、ハイドロキシアパタイト製の人工歯根が開発された」という記事がのり、もう抜歯で抜けた歯は、第3の歯:インプラントで補えばよい時代がもうすぐ来るのか?と感じていました。しかし、当時医科歯科大学の臨床実習に入っていた先輩は、「インプラントで歯はできるけど、歯根膜はできないんだよ。それでいいのか?」と心配していました。当時の私は、先輩の心配の意味がよく分かりませんでしたが、これが実は現代でも解決されずに残っている、インプラントの弱点につながることになります。今もって、インプラントはこの、「歯根膜を持たない」ことにより、第3の天然歯とはなりえないのです。
それでは、天然歯の持つ「歯根膜」の役目とは?
また、現代の進化したインプラントシステムでは、歯根膜の役目がない部分をどう対応しているか?この辺りはまた次号に掘り下げていこうと思います。