ISOI(国際口腔インプラント学会参加)2024
週末にISOI国際口腔インプラント学会(本部ドイツ)に、歯科インプラント認定医資格継続のため、受講してきました。もう世間ではすっかりクリスマス気分の中、世界中から歯科インプラント専門医が集い、情報交換しました。また日本からも3名ほどドイツ本国の歯科インプラント認定資格が授与されました。
様々な歯科インプラントの最新情報がありましたが、ここでもデジタルソリューションはメインテーマの一つでしたが、やはりデンタルCT、口腔内スキャナー、顔貌写真、よりAI処理で情報を統合し、咬合の再構成が可能か?という命題については、「現段階ではまだ不可能」という見解で一致しました。
また、フリーラジカルを利用した、画期的なオペを伴わない歯周治療の発表もあり、その先進性に、大きな期待が集まっていました。
また遠隔操作によるロボット支援手術の可能性についても、議論されました。医科領域ではもうすでに、遠隔操作による高度先進医療のオペが実現しており、エキスパートの熟練したオペが遠隔地でも可能という時代ですが、「歯科インプラントでも遠隔ロボット支援手術は実現可能か?」という素朴な疑問にドイツ本国の口腔外科のエキスパートは、
「あ~、それは無理無理、だって患者さんは局所麻酔だから意識があるだろ?動くんだよ~、動かれると遠隔地で術野を見ている熟練医も、術野が見えなくなるので怖くてできないんだよ~」とのことで、そういえば当たり前だな、と思いました。全身麻酔なら患者さんは動かないので術野が固定できますが、局所麻酔では、動いたり、しゃべったり、寝ていびきをかいたりしますので、、、無理ですね。
また歯科インプラントの長期経過症例についても、多くの症例が供覧されました。内藤歯科でも、院長の歯科インプラントの25年経過症例も多く出てきていますが、演者は、「10年以上の歯科インプラント経過症例は、大変貴重な成功資料となる、そこにたどり着くには、専門医のオペの成功がカギではない!10年以上のプラークコントロールを継続している、患者様の努力と、それをメインテナンスでサポートし続ける歯科衛生士さんの方の努力のたまものである。これが長期成功症例のカギとなる!」と発表されました。まさしく私も同意見です。メインテナンスを長期に続ける患者様と、それをサポートし続ける歯科衛生士さんの努力のたまもの以外に、10年以上の成功はあり得ません。内藤歯科では、国家資格を保持している歯科衛生士は6名ほどおり、中には学会認定歯科衛生士も活躍しています。歯科治療は治したら終わりではありません、そこから長いメンテナンスの始まりです。その努力がQOLの高い人生につながります。