ICOI(国際インプラント学会参加)2023
週末にICOI(国際インプラント学会)に参加して研修してまいりました。コロナ渦でしたので約4年ぶりの参加で、リモート講演にはない迫力のある講演は感無量でした。
トピックスはやはり「デジタルソリューション」です。2000年当時から同じトピックスが続いていますが今回は、「なぜいまだにスキャナーの精度が悪いのか?デジタルを導入するためのコストは、どれくらいかかるのか?」等々コマーシャルベースではなくインプラント医療サービスとしての見地から現場の正直なデータに触れることができて、大変有益でした。
歯科インプラントの現場にも否応なく技術革新の波は来ているのですが、それを生かすためには、幅広い知識が必要だと感じました。
また、歯科インプラントにとっての長らくの常識であった「長いインプラントが良いインプラント」という常識も覆されつつあります。
日本においても、オステオインテグレーションインプラントが、一般歯科医療機関に導入されてから、もう30年以上も経過していますが、その経過例を見てみますと、決して長いインプラントが良い結果を出しているわけではないことがわかります。内藤歯科でも院長の臨床例では、今年でインプラント手術から30年を超えるものも出てきていますが、決して「長いサイズのインプラント」ではありません。
無駄に長いサイズのインプラントの手術をすることは、手術のリスクを増やすだけだと考えます。必要サイズの適正な長さのインプラントを安全に手術すれば、その長期安定性を決めるものは、「炎症と力のコントロール」にゆだねられることになります。その「炎症のコントロール」ために内藤歯科では、永続的にメインテナンスを欠かさないように、患者様方にはお願いいたしております。内藤歯科でのインプラント30年経過例の方も、メインテナンスを欠かしていません。その患者様も転勤されたこともありますが、飛行機を乗り継いで来院されたこともありました。
また「力のコントロール」には咬合力の調整が必要です。毎回ではありませんが、適切な咬合力になるように「咬合調整」という処置が必要になります。
そして長らく常識であった、「オステオインテグレーションしたインプラントは、一生動かない。」というものが実は間違いであったこともわかってきました。天然歯と異なり、歯根膜を介さず直接歯槽骨とコンタクトしているインプラントは、確かに一見動きません。
しかし、歯槽骨のほうは、3年ほどですべて入れ替わります。つまり、インプラントの結合は変わりませんが、歯槽骨の形が変わるので、結果として同じ位置にはいないことになります。
わかりやすく言えば、家の中で、自分の部屋から一歩も出ていないので「自分は動いていない」ように思っても、家のほうがトレーラーに乗って移動していたのでは、やはり位置が変わりますね。このようなことがインプラントにも起きているということです。従いまして動いた分の変化には、「咬合調整」により環境変化に適応させることが必要だということになります。
これが内藤歯科で従来から行っている「咬合調整」の必要性になります。
実に4年ぶりの現地開催であったICOI(国際インプラント学会)からはそのほかにも実に有益な、歯科インプラント関連の技術やマテリアルや知識を得られました。そのほかインプラント等の認定医の更新のためにも、来年からはまた年に数回海外の学会にも出かける必要があります。休診によりご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。