インプラント治療の保険適用条件とは?少しでも費用を抑えるための方法も紹介
監修者情報
- 国際インプラント学会認定医
- 国際口腔インプラント学会
- 顎咬合学会認定医など
はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。
インプラント治療は、何らかの理由で歯を失ったときに行う治療です。入れ歯やブリッジに次ぐ第3の方法として知られているものの、それと同時に治療費が高額になることをご存知の方も多いのではないでしょうか。
一般的に、インプラントは1本につき30〜40万円ほどかかるといわれています。そのため、なんとか保険適用にならないものかと思われている方も多いかもしれません。
しかし実際のところ、インプラント治療が保険適用になるケースは少なく、むしろ保険適用外となることの方が多いのです。
この記事では、インプラント治療の保険適用条件と保険適用外のときに少しでも費用を抑えるための方法をご紹介します。インプラント治療を検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
インプラント治療の保険適用条件とは
インプラント治療は、一般的な虫歯治療や入れ歯、ブリッジなどによる補綴治療とは異なります。公的医療保険が適用される条件にも違いがあるため、インプラント治療を検討されている場合は、事前に保険が適用されるのかされないのかを知っておくことが重要です。
そこでここでは、インプラント治療の保険適用条件について詳しく解説します。
そもそも保険診療とは
保険診療とは、健康保険に加入している人が受けられる診療の中で、公的医療保険制度の対象となっている診療のことです。医療機関を受診した際に保険証を提示すると、治療費の自己負担額が3割で済みます。
公的医療保険制度の対象となっている診療は、診療報酬点数と治療方法が定められているため、全国どこの医療機関を受診しても負担額は同じです。
歯科治療では、虫歯や歯周病をはじめ入れ歯やブリッジ治療などに保険が適用されますが、保険で受けられるのは、必要最低限の健康を維持するための治療にとどまります。
一方、自由診療とは保険が適用されない診療のことです。
例えば、美容目的で受ける治療や国内未承認の治療や薬を使う治療は自由診療に該当します。自由診療の際にかかる治療費については、医療機関が自由に設定できるため、同じ治療でもかかる費用が異なることも多いです。
また、治療費は全額患者さんの自己負担となります。すべてのケースではありませんが、多くの場合インプラント治療も保険適用外の自由診療扱いとなるため、治療にかかるすべての費用を患者さん自身が負担することになるのです。
インプラントが保険適用されるケースとは
平成24年(2012年)4月から、インプラント治療にも保険が適用されることになりました。ただし、以下の条件に当てはまる場合に限られるため注意が必要です。
【先天性の疾患】
- 生まれつき顎の骨が3分の1以上連続して欠損している(他にも細かい条件がある)
- 生まれつき顎の骨が変形している
- 先天性欠損歯が6本以上ある
- 先天性欠損歯が連続して4本以上ある
【後天的な疾患や事故】
- 腫瘍は顎骨骨髄炎、事故の外傷などによって顎の骨の3分の1を失っている
- 事故の外傷などによって顎の骨の3分の1を失っている
- 骨の移植によって顎の骨が再建された
インプラント治療は、保険適用されるようになった際「広範囲顎骨支持型装置および広範囲顎骨支持型補綴」という名称がつけられました。そして、インプラントを埋め込むために必要な手術のことを「広範囲型顎骨支持型装置埋入手術」といいます。
なお、インプラント治療で保険が適用されるには、以下の条件が整った医療機関で治療を受けなければいけません。
- 歯科もしくは歯科口腔外科の病院(入院用のベッドが20床以上)であること
- 歯科もしくは歯科口腔外科の経験が5年以上あるか、3年以上のインプラント治療の経験がある常勤医師が2名以上配置されている
- 当直体制が整っている
- 医療機器や医薬品の安全確保のための体制が整っている
インプラント治療を保険で受ける際は、症例だけでなく治療を受ける医療機関にも条件があります。一般的な歯科クリニックではなく、大学病院など大規模な医療機関の歯科・歯科口腔外科であれば、保険適用のインプラント治療を受けられることも知っておきましょう。
基本的には保険が適用されない
上記でご紹介したように、インプラント治療で保険が適用されるのは比較的稀なケースです。基本的には保険は適用されないと思っておいた方がよいでしょう。
では、なぜ保険が適用されないのかというと、治療にコストや時間がかかりすぎるからです。
インプラント治療は、外科手術を行うことが前提となっている上、歯を失った部分にただ埋め込めばよいというわけではありません。
患者さん一人ひとりの持病や全身状態をしっかりと確認する必要があるだけでなく、切開や縫合など一般的な歯科治療では行わない専門性の高い処置を、長期間にわたって行う必要があります。
さらに、歯科医師がインプラント治療の技術を習得するための費用がかかることも、保険適用にならない理由のひとつです。歯科医師全員が、インプラントに関する最新の知識を身につけられればそれに越したことはありませんが、それには時間もお金もかかります。
そのため、残念ながらすべてのインプラント治療を保険適用にすることができないのです。今後インプラント治療に保険が適用される可能性もゼロではありませんが、今すぐにというわけにはいかないでしょう。
また、インプラント治療は2012年4月1日から生命保険の先進医療特約などの対象外となっています。支払い対象にならないので注意しましょう。
インプラントにかかる費用相場について、詳しくはこちらでご紹介しています。
→インプラントとブリッジにかかる費用は?それぞれの相場を詳しく解説
インプラント治療が保険適用外のときに少しでも費用を抑える方法
インプラント治療は、口元の見た目が良くなるだけでなく、しっかり食べ物を噛んだり発音が安定したりなど、患者さんにとって非常にメリットが多い治療でもあります。
とはいえ保険適用外の場合、できるだけ費用を抑えて治療を受けたいという方がほとんどなのではないでしょうか。
そこでここでは、インプラント治療が保険適用外のときに少しでも費用を抑える方法をご紹介します。
なお、当院のインプラント治療について、詳しくはこちらのページをご覧ください。
医療費控除を受ける
インプラント治療は「医療費控除」の対象であることをご存知ですか?
医療費控除とは、納税者またはその家族が医療機関を受診した際にかかった1年間(その年の1月1日から12月31日まで)の医療費が一定額を超えた場合に、その額と総所得金額をもとに算出された額の所得控除が受けられるという制度です。
支払った医療費の合計が10万円もしくは総所得金額の5%を超えることが条件となっているため、インプラントを1本入れただけでも医療費控除の対象になります。
また、実際にインプラントを入れる手術だけでなく、インプラントを入れるために行った術前検査にかかった費用や、治療のために使った公共交通機関やタクシーなども対象に含まれます。
さらに、インプラント治療のためにかかった費用と風邪をひいて内科にかかったり、怪我をして整形外科にかかったりした費用も合算して申告できる点にも注意が必要です。
納税者自身だけでなく家族の分も併せて計算できるので、医療機関にかかったときは必ず領収書やレシート、医療明細書をとっておき、確定申告をしましょう。ただし、審美目的のインプラント治療は医療費控除の対象にはなりません。注意してください。
インプラント治療の医療費控除については、こちらで詳しくご紹介しています。ぜひ参考になさってください。
→インプラントで医療費控除を受けるための3つの条件と必要書類などを紹介
ちなみに、インプラント治療を保険適用で受けた場合は、高額療養費制度を利用すると費用が抑えられる場合があります。
高額療養費制度とは、1ヶ月あたりの保険診療の医療費が一定額を超えた際に、その超えた分が還付される制度です。制度の対象となる医療費は所得によって決められていますが、インプラントであれば対象額に該当するケースも多いでしょう。
デンタルローンを利用する
月々にかかるインプラント治療の費用をできるだけ抑えるには、デンタルローンを利用するのもひとつの方法です。費用全体の負担が軽くなるわけではありませんが、一度に多額の出費ができない場合におすすめです。
デンタルローンは、一般的なクレジットローンよりも金利が低く設定されています。保険適用にはならないものの、インプラント治療が必要なときに治療費を用意するための方法として、知っておくとよいでしょう。
デンタルローンで支払いを行った場合も、医療費控除の対象です。手元に領収書がないこともあるかもしれませんが、そのような場合はデンタルローンの契約書の写しなどを添付書類として使用できます。
まとめ
インプラント治療は、費用が高額になる一方で保険適用になるケースが限定されており、ほとんどのケースが自由診療に該当します。そのため、治療を受けることをためらってしまう方もいらっしゃるようですが、インプラント治療によって得られるメリットは非常に大きなものです。
保険が適用されない場合は医療費控除によって還付金が受け取れますので、賢く利用して少しでも費用を抑えてインプラント治療を受けましょう。
初台から徒歩1分のところにある「内藤歯科」では、国際インプラント学会認定医の院長が、患者様のことを第一に考え、最適な治療方法をご提案しております。
CTを使った3Dデータや医療用拡大鏡など最新の機器を導入して治療精度を高め、患者様に質の高い歯科治療をご提供できるよう努めておりますので、インプラント治療を検討されている方は、お気軽に「内藤歯科」までご相談ください。