歯周病の臭いの特徴と原因は?口臭を消す3つの対策法を紹介
監修者情報
- 国際インプラント学会認定医
- 国際口腔インプラント学会
- 顎咬合学会認定医など
はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。
「マスクをしていて自分の口臭が気になる」「家族に口が臭いと指摘された」
そのような方は、もしかしたら歯周病が原因で口臭が強くなっているかもしれません。
ヒトにはそれぞれ体臭があるように、口の中にもニオイがあり、いくつかの種類があります。歯周病が原因の口臭は「病的口臭」の中の一つで、強烈な臭いを放つことから他人に不快な思いをさせるだけでなく、歯を失ってしまう恐れもあるため、きちんと対策しなければいけません。
ただ、口臭というのは自分では気づきにくいもので、普通に歯磨きをしていれば大丈夫だと思っている方もいるようです。
歯周病は、日本人の成人の約8割がかかっているといわれており、国民病ともいわれるほど多くの方が罹患しています。つまり歯周病は、誰にとっても無関係とはいえない疾患だということです。
この記事では、歯周病の臭いの特徴と原因、歯周病による口臭を消す3つの対策法をご紹介します。
歯周病の臭いの特徴と原因
歯周病というと、歯茎が腫れたり出血したりするというイメージが強いですが、実は口臭も歯周病の代表的な症状の一つです。歯周病が進行するにつれて、臭いが徐々に強くなっていきます。つまり、口臭が強いということは、病状が進行していると思った方がよいでしょう。
最近は外にいるときにマスクをしていることがほとんどなので、今まで自分の口臭に気づかなかった方でも、口臭の強さを自覚する方も多いようです。
ここではまず、歯周病の臭いの特徴と原因についてご紹介します。
歯周病の臭いの特徴
以下は、歯周病の臭いの特徴です。
・食べ物が腐敗したような臭い
・生ゴミのような臭い
・魚の生ぐさい臭い
・オナラのような臭い
・タマゴや玉ねぎが腐敗したような臭い
上記のような刺激臭がする場合は、歯周病が進行している可能性が高いです。
病的口臭の原因には虫歯や歯周病、もしくは呼吸器系や消化器系の疾患も考えられますが、ほとんどの場合歯周病が原因だといわれています。
歯周病は、進行すると歯の根元あたりの歯茎に膿がたまります。その膿の袋が破けると強烈な臭いを放つため、周囲の人がさらに不快な思いをすることも。
ただし、そのような状態になると口臭よりも歯のぐらつきや歯茎の腫れ、出血などの方が深刻になるため、早急に歯科医院を受診した方がよいでしょう。
歯周病の臭いの原因
歯周病の臭いの原因は、歯周病の原因菌が放出する毒素です。
歯周病菌は、食べかすや汚れなどに含まれるタンパク質を分解する際に、「メチルメルカプタン」や「ジメルサルファイド」「硫化水素」などのガスを作り出します。
これらのガスはそれぞれ異なるニオイを放出することから、混ざり合って歯周病特有の不快な臭いとなるのです。
さらに、歯周病が進行すると歯と歯茎の間にある歯肉溝、いわゆる歯周ポケットがどんどん深くなります。この歯周ポケットは、酸素が少なく歯周病菌も活発化しやすい環境です。
また、歯ブラシが届きにくい場所でもあるため、徐々に汚れがたまっていき、それとともにメチルメルカプタンなどのガスの産生量も増えていきます。
自分では歯周病の臭いに気づけないのはなぜ?
他の人からすると強い臭いでも、自分では気づけないことも多く、放置してしまっている方もいます。それはなぜなのでしょう。
その理由は、人間は自分のニオイに慣れてしまうからです。他人のニオイは普段常に嗅いでいるわけではないので気になりますが、自分の口臭は常にそのニオイを嗅いでいる状態であるため、徐々に感じなくなってしまいます。
歯周病の臭いは、ニオイを感じ取っている鼻と非常に近い口から発するためとくに慣れやすく、どんなに強い臭いでも感じ取れなくなってしまうのです。
最近では、日常生活の中でマスクをしている時間が増えています。
マスクをすると自分の口臭に気づくケースも多いようです。自分の吐息が直接鼻に入ることで、口の中のニオイを感じやすくなります。
マスクをしているときに自分の口臭が気になる方は、歯周病の可能性もありますので、歯科医院へ相談してみることをおすすめします。
歯周病セルフチェック
歯周病は、強い口臭の原因になるだけでなく、放置することで歯を失ってしまう可能性もある恐ろしい疾患です。痛みなどの強い自覚症状もなく進行するため、口臭が発生するほどの状態になるとかなり進行していることになります。
また、全身の疾患とも深く関わってくるので、以下のセルフチェックで早めに見つけて治療を受けましょう。
□ 歯茎が部分的に赤く腫れている
□ 人と面と向かって話すと顔をしかめられることがある
□ 歯茎が痩せて下がってきた気がする
□ 歯と歯の隙間に食べ物が詰まりやすい
□ 歯磨きの際、歯ブラシに血がついたりすすいだ水に血が混じったりすることがある
□ 歯と歯の隙間の歯茎が角の尖った三角形ではなく、うっ血してブヨブヨしている
□ ときどき歯が浮くような感覚がある
□ 指で揺らすと若干ぐらつく歯がある
□ 歯茎から膿が出ることがある
上記のチェックリストで1〜2個当てはまる項目があった場合は、歯周病になりかけている可能性があります。チェックが3個以上ついた場合は、初期〜中程度以上の歯周病の可能性が高いので、早めに歯科医院を受診するとよいでしょう。
歯周病による口臭を消す3つの対策法
歯周病チェックリストで当てはまる項目があった場合でも、ごく初期の歯周病であればセルフケアで改善できるかもしれません。ただし、強い臭いを発するほど歯周病が進行してしまっている場合は、セルフケアのみで口臭をなくすことは難しくなります。
しかし、歯周病による口臭でもきちんと対策することで、臭いを防ぐことは可能です。ぜひこれからご紹介する3つの対策法を参考にしてみてください。
歯周病の治療を受ける
歯周病の臭いが強い場合は、症状が進行していればしているほど、セルフケアのみで改善できなくなります。この場合は、臭いの原因を取り除く必要があるため、歯科医院で歯周病の治療を受けなければいけません。
まず歯科医院では、レントゲンを撮ったり歯周ポケットの深さを測ったりして、歯周病がどのくらい進行しているのかを診断します。
歯科医院で行う歯周病の治療は重症度によって異なり、重度の状態になると歯周病菌に感染した歯周組織を取り除き、歯茎を縫合する「フラップ手術」という外科治療が必要です。
手術に抵抗があるという方は、薬で歯周病菌をなくす「歯周内科治療」も受けられるので、必要以上に不安がらず、できるだけ早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。
歯周病の治療について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
歯のクリーニングを受ける
歯周病の原因である歯周病菌は、深い歯周ポケットの中や歯ブラシの届きにくい箇所にたまっていることも多く、セルフケアでは除去しきれないことも多いです。歯周病菌が出すガスは、強い臭いを発するため、それらの菌が潜む歯垢や歯石を歯科医院の専門的なクリーニングで除去すれば、口臭を防げるのです。
歯科医院では、「PMTC」という歯のクリーニングを行っています。
PMTCは、歯科医師や歯科衛生士などの国家資格を有する専門家が行う歯の清掃のことで、普段の歯磨きでは除去しきれない歯垢や歯石、バイオフィルムまで除去できます。
また、茶渋やタバコのヤニ、ワインやコーヒーなどによる着色汚れも綺麗に除去できるので、口の中を清潔かつ美しく保つことにもつながるでしょう。
正しい歯磨きを徹底する
歯周病による口臭は、唾液の分泌が少なく細菌の繁殖しやすい睡眠時に強くなります。そのため、寝る前や起きた直後は念入りに歯磨きをして予防しましょう。
また、毎食後の丁寧な歯磨きも口臭の原因となる歯垢をためないために重要です。以下の正しいポイントを押さえた歯磨きを徹底して行います。
・歯ブラシは、優しい力で軽く握る
・歯茎と歯の間、歯の隙間を意識してとくに丁寧に磨く
・歯の表面を磨くときは、歯ブラシを歯に対して90度の角度であてる
・歯と歯茎の間を磨くときは、歯ブラシを歯に対して45度の角度であてる
・歯ブラシは常に小刻みに振動させるようにして磨く
歯と歯の間は歯垢が溜まりやすい箇所です。歯周病の進行をおさえる働きも期待できるので、フロスや歯間ブラシを使うとよいでしょう。
フロスやゆっくりと動かしながら歯と歯の隙間に挿入し、左右に細かく動かします。フロスには切って使うタイプやプラスチック製の柄に糸がついているタイプなど、いくつか種類があります。自分で使いやすいものをえらぶようにしましょう。
まとめ
歯周病の臭いの特徴と原因、歯周病による口臭を消す3つの対策法をご紹介しました。
歯周病の臭いは、普段の歯磨きやマウスウォッシュなどのセルフケアだけでは予防できません。
臭いが強いということは、歯周病がある程度進行していることを意味します。もちろん、毎日の丁寧な歯磨きは歯茎を引き締め、歯周ポケットが深くなるのを予防し、臭いを改善するためにも非常に重要です。
歯周病による臭いは、自覚症状がないことも多く、自分の口臭になかなか気づかない傾向にあります。「もしかしたら、自分は口臭が強いかもしれない」と思っている方は、今回ご紹介したセルフチェックを行い、当てはまる項目が一つでもあれば歯科医院へ相談に行ってみましょう。
初台にある「内藤歯科」では、強い口臭の原因となる歯周病治療にも力を入れており、臭いのもととなる歯垢や歯石を取り除くPMTCも行っております。
当院の診療に携わるスタッフは、全員が国家資格を有する歯科衛生士です。歯周病の臭いが気になる方は、「内藤歯科」へお早めにご相談ください。