【歯周病】歯周ポケット4mmの治療法は?検査の内容や進行度別の症状も紹介
監修者情報
- 国際インプラント学会認定医
- 国際口腔インプラント学会
- 顎咬合学会認定医など
はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。
歯と歯の間にある歯周ポケットは、歯垢が溜まると炎症を起こして腫れていき、深くなっていきます。歯周ポケットが深くなると歯肉が破壊されて歯周病となってしまうのです。
歯周病は、目盛りがついたポケット探針で歯周ポケットの深さを測定することで、炎症の進み具合を確認します。健康な歯周ポケットは3mm以内とされていますが、それ以上歯周ポケットが深くなっている場合、どのような治療が行われるのでしょうか?
この記事では、歯周病の進行度別の症状と、歯周ポケットが4mmの場合どのような治療をするのかをご紹介します。
歯周病でお悩みの方、歯周病の理解を深めたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
歯周病とは
歯周病は、歯と歯肉の境目のブラッシングが行き届かないことによって、多くの細菌が停滞し歯肉や歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。
8020推進財団のデータによると、歯を失う原因で最も多いのが歯周病の37.1%で、糖尿病や心臓病と同じような生活習慣病に位置付けられています。
歯周病の原因は、口内にいる細菌が作り出す歯垢です。歯垢1mgの中にはおよそ10億個の細菌が住み着いているといわれていて、この細菌が虫歯や歯周病の原因となります。
歯垢はブラッシングで取り除かなければ硬い歯石となり、歯の表面に強く付着してしまいます。歯石の状態になるとブラッシングだけで取り除くことは難しく、歯科医院でクリーニングをする必要があります。
歯石の中や周囲には細菌が入り込みやすいため、歯石を放っておくことで歯周病を進行させる毒素が出続けているということになります。
歯周病について詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。
歯周病の進行度別の症状
歯周病は進行度別に歯肉炎、軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎に分類されます。
ここからは、歯周病の進行度別の症状をご紹介します。
歯肉炎
歯周ポケットの深さが3mm以内の場合は歯肉炎と呼ばれます。
症状としては、歯周ポケットに細菌が溜まっていること歯茎が炎症を起こしている状態で、ブラッシングで出血しやすくなっています。
健康な歯茎が薄いピンク色で引き締まっているのに対して、歯肉炎を起こしている歯茎は赤く腫れています。
軽度歯周炎
歯周ポケットの深さが3~4mmほどになると、軽度歯周病と呼ばれます。
歯を支えている顎の骨が溶け始めていて、歯茎は赤く腫れあがり、出血が見られることや、冷たい水などがしみるという症状が出始めます。
口臭が気になるという方もいて、他人から口臭を指摘されて歯周病に気が付くということも。
歯周ポケットには歯石と歯垢が溜まっている状態ですが、取り除くことで歯周病の進行を止めることができる段階です。
中等度歯周炎
歯周ポケットの深さが4~5mmほどになると、中等度歯周炎と呼ばれます。
この状態になると、顎の骨は半分ほど溶けてしまっているため、指で歯を押すとぐらぐら揺れてしまいます。
自覚症状としては、歯茎の腫れ、出血に加えて歯が浮くように感じることがあります。
重度歯周炎
歯周ポケットの深さが6~7mm以上になると、重度歯周炎と呼ばれます。
重度歯周炎になると、顎の骨が2/3以上溶けてしまっている状態で、歯槽骨で歯を支えきれなくなり、放置することで歯が抜け落ちてしまうこともあります。
左右にだけではなく上下にも歯が揺れるようになり、痛くて物が咬めない状態です。
歯周病の検査は何をする?
歯周病は初期の段階では自覚症状がないため、歯科医院で検査を受けて正確な診断を行う必要があります。
ここからは、歯周病の検査で行う項目についてご紹介します。
歯周ポケット検査
歯周ポケット検査では、プローブという器具を使用して歯茎の中の深さを測ったり、歯茎の内側を触ったりして状態を確認します。
プローブで歯茎の内側を触ることで、歯周病がどの程度進行しているかをチェックできます。
プローブでは歯周ポケットの深さが測れるだけではなく、軽く歯周ポケットにプローブを挿入したときに出血があるかどうかで炎症の程度を判断することもできます。
X線検査
X線検査は歯槽骨や歯の状態を調べることができるため、歯周病でどの程度歯が溶けているかを確認できます。
細かい部分が撮影できるデンタルX線写真や、広範囲で撮影できるパノラマX写真などを使用して口の中やその周囲を全体的に調べます。
歯石の状態も確認することができるので、どの程度処置が必要になるかを事前にチェックできます。
歯の動揺度の検査
歯がどの程度ぐらついているかの検査は、以下の基準で程度を判断します。
・0度…正常
・1度…前後に多少動く
・2度…前後左右に動く
・3度…前後左右上下に動く
調べる歯をピンセットで挟んで動かしたときに動く状態によって、どの程度歯周病が進行しているかを調べます。
歯周病細菌検査
歯周病細菌検査は、以下のような5種類の菌を調べる検査です。
・Porphynomonas gingivalis(P.g菌)
・Treponema denticola(T.d菌)
・Tannerella forsythensis(T.f菌)
・Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a菌)
・Prevotella intermedia(P.i菌)
口腔内には800種類を超える細菌が生息しているといわれていますが、歯周病はその中の十数種類が原因になっていて、その中でも歯周病原性が高いとされるのが「Red Complex」です。
Red Complexの中でも一番重篤な歯周病とよく関連しているとされているのはPorphynomonas gingivalisで、互いの病原性を高めあうといわれています。
歯周ポケットが4mmの場合の治療方法
歯周ポケットが4mmの場合、軽度歯周炎とされますが治療をすることで完治できるケースもあります。
ここからは、歯周ポケットが4mmの場合の治療方法をご紹介します。
プラークコントロール
プラークコントロールは、口内にいる歯周病の原因となる細菌をできる限り減らすということです。自己流の歯磨きでは約8割の方に磨き残しがあるといわれているため、定期的にチェックを受けて清掃状態を確認する必要があります。
プラークコントロールの基本は歯磨きです。
歯磨きは、ブラッシング指導を受けることや、プラークテスターで染色して磨き残しを目で確認したりすることで精度を高めていきます。
ブラッシング指導では、歯ブラシだけではなくデンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯垢を除去する指導が行われます。
ブラッシングと合わせてデンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯垢除去率がアップするとされているため、しっかり指示に従ってデンタルフロスや歯間ブラシを使用したプラークコントロールを行いましょう。
スケーリング
スケーリングは、スケーラーと呼ばれる器具を使用して歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を落とすことです。
スケーラーには超音波のものや手用があり、さまざまな形のものを歯石の付き具合によって使い分けて歯石を除去していきます。
歯石を除去することで歯が長く見えたり、隙間ができたりするように感じることもありますが、歯周病を進行させないためにも、歯石取りは重要な治療となります。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、歯肉の縁よりも下の歯周ポケット内部に溜まった歯石を取り除きます。
歯根面に歯垢が付着していることで、歯石を取り除いても歯肉が歯根の表面と離れてしまい、歯周ポケットの深さを改善させることが難しくなります。
そのため、歯石をスケーリングで取り除いた後にルートプレーニングによって歯根表面をなめらかな状態にすることで、歯垢が溜まりにくくする治療です。
まとめ
歯周病の進行度別の症状と、歯周ポケットが4mmの場合どのような治療をするのかご紹介しましたが、参考になりましたか?
歯周病は進行しすぎてしまうと治療が難しく、重度歯周炎まで進行すると歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。
定期的に歯科医院に通い、歯石を除去することや毎日のプラークコントロールが重要です。
初台から徒歩1分の場所にある「内藤歯科」では、さまざまな症例に対応すべく、幅広い知見をもった院長が患者さま第一の精神で治療を行います。
スケーリングやルートプレーニングで対応しきれないほど進行してしまった歯周病には、外科治療ではなく薬で歯周病菌をなくす「歯周内科治療」もオススメしていますので、外科治療に抵抗がある方はご相談ください。
歯周病でお悩みの方は、患者さまの不安を取り除き安心して治療を受けられる「内藤歯科」まで、ぜひご連絡ください。